美術品の管理に貢献しているセンサー湿度計

湿度計というと、一昔前は温度計とともに壁に掛けられているようなアナログ式のものが主流でした。

しかし今では、エアコンや空気清浄式など、家庭用の家電でも湿度がデジタル表示されているのが一般的です。これは機材の中にセンサー式の湿度計が内蔵されており、表面には見えないながらもしっかり湿度を感知されているためです。このように技術的にもかなり一般化されたセンサー式湿度計ですが、専門的な分野でも欠かせない機材になっています。その代表的なシーンが美術館や博物館など貴重な美術品を扱う場所です。

絵や陶器などの展覧会に行ったとき、展示ケースの中にデジタル時計のようなものが置かれているのを見たことはありませんか?実はそれは、温度計・湿度計である場合が多いのです。というのも、特に古い美術品においては微妙な湿度の変化によって変色やひび割れ等が発生したり、カビや虫の発生につながることもあるからです。

和紙でできた巻物や書物、絹でできた衣装や刺繍、動物の毛でできた筆などはその中でも特にナイーブな素材です。もちろん湿度が高すぎるのはNGですが、低すぎても乾燥によるダメージや扱いにくさを生んでしまい、品質に大きな影響を及ぼしてしまう可能性があるのです。ですから美術品を扱う現場には、センサー式の湿度計センサーとともに、小皿のようなものに入れた少量の水が置かれている場合もあります。繊細な空調管理が必要な場所ならでは、厳密な湿度管理が行われているといえるでしょう。

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